バイアス(Bias)

調査を行う際は「バイアス」に気をつけましょう。「偏り」と訳したりしますが、質問の順序や質問文自体によってある方向の回答を誘導しやすい状況が発生することがあります。
例えば、製品テストやパッケージテストでは通常、最初の質問で全体評価をどかんと聞きます。でその後に気に入った点や気に入らなかった点をOAで聞いたり、使用感やパッケージについての特性やイメージ評価を聞きます。全体評価を聞く前に色々細かい点を聞くと、自分でも感じていなかった事に気づき、聞かれた内容が「バイアス」になって全体評価に影響を与える可能性があるからです。アンケートの最初と最後に全体評価を2度聞くことで回答結果を比較するのもよいでしょう。
また、OAの前にリストによる特性評価を聞くと、通常OAに中々出てこないような回答でも特性評価で挙げた項目の内容が出てきたりします。例えば「Value for money=価格に見合った価値がある」という特性については、「値段が高いけど、それなりの味がするからよい」とは言っても、そのものずばり「価格に見合った価値がある」とは中々言わないものですが、それが出てきたりします。もっとも昨今ではアンケート慣れした対象者も増えたのか、マーケッターのように専門的に批評する内容もしばしば散見されますので、回答が出たというだけでバイアスがかかっているとは言いきれませんが、あまりその傾向が強いときは注意しましょう。